本日は貴重なお時間ありがとうございます。
ではさっそく、Golden Age Projectのインタビューを始めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
現在の仕事について
まずは、現在のお仕事について教えてください!
現在は京都にあるONDという会社で、トレイルランニングをしている人たちにIBUKIというGPSの端末を装着していただき、装着した方全員の位置情報が分かるシステムのサービスを行っています。
トレイルランをされる方の安全を担っているのですね!
そのONDに入社された経緯を、教えてください。
前職のADDPの仕事を続けながら、京都にあるUNKOWNKYOTOというゲストハウスのフリアコ※として暮らしていました。
ある時、そこのゲストハウスを運営している株式会社ONDの社長さんと出会い、GPSの事業を起こして登山をする人の安全を守りたい!という社長さんの熱意に意気投合しONDに入社しました。
※宿泊者が宿泊施設の仕事をする代わりに、宿泊料無料で寝泊まりができる仕組みのこと。フリーアコモデーションの略。
まさにいい出会いでしたね!
登山をする人の安全を守りたい!とのことですが、登山をする方の内、年間でどのくらいの方が遭難されるのでしょうか?
警察庁の調べで、年間約3,000人の方が遭難され、その内の約300人の方がお亡くなりになっていると出ています。
コロナ渦に入り一旦は遭難者が減ったのですが、また少しずつ山岳遭難者は増え続けている現状です。
年間で約3,000人もの方が山の中で遭難している現状は知りませんでした。
そういった方々を救うために、ONDでは具体的にどういったお仕事をされているのでしょうか?
基本的には、トレイルランの選手にIBUKIというGPS端末を装着していただき、位置情報やレースのタイム計測を行ったり、レース終了後に完走証を渡したりもしています。
あとは、IBUKIのマーケティング等も行っています。
様々なお仕事をされているのですね!
事前に桑原さんのプロフィールについて調べさせていただいたところ、現在のお仕事とは別でホームページ制作も行っているとのことですが、HP制作スキルはどこで学ばれましたか?
HP制作スキルに関しては完全に独学です!
大学生の頃からHPを少しいじりはじめて、社会人3年目でコロナ渦に入った時に、前職のADDPの仕事を続けながらHP制作について勉強しました。
ラオスで仕事をしてきた経験
社会人の今でも、仕事以外で勉強され続けているのですね。
これまでのお話にも出た前職のADDPとは、どのような団体なのでしょうか?
ADDPとは、特定非営利活動法人NPO アジアの障害者活動を支援する会
という団体のことで、アジア諸国にいる障害者の活動支援を行っています。
僕は新卒でADDPに入社し、ラオスにいる障害者の方のスポーツと就労の支援を行っていました。
より具体的に言うと、ラオスのパラリンピック委員会の方とラオスでのプロアスリートの育成について考えたり、ラオスで障害者の方向けのワークショップ※を開催したりしていました。
※参加者の主体性を重視した体験型の講座やグループ学習、研究集会などのこと。
新卒で日本からラオスに行かれたのですか!?
どういった経緯でラオスに行かれたのか教えてください!
当時僕が大学生の頃、「東京オリンピック・パラリンピック2020に関わりたい」というのが叶えたい目標にありました。
しかし、オリンピック開催の年は自分が新卒3、4年目に当たり、新卒4年目でオリンピックに関わるのは難しいと予測が立てられ、日本以外の国でスポーツが発展途上の国だとその国のオリ・パラスポーツに関われるのではと考えました!
その時に、旅行で2,3回訪れていたラオスで障害者スポーツの支援をしているADDPさんに冗談交じりに「一緒に仕事しましょ!」と言われていたので
人生1回きりだし挑戦したい!という思いで、新卒でラオスに行きました。
普通の人なら、新卒でラオスに行こうとするチャレンジなんてしませんね。笑
ラオスで障害者支援に携わって感じたことや学んだことはありますか?
障害者支援に携わって1番に感じたことは
障害者の方も普通の人間と変わらないということです。
障害者に対して偏見を持たれる方はいるかもしれませんが、身体的なところで自分と違っていても心は普通の人間と全く変わらない方が大半です!
なので、障害者の方とお話するときは偏見を極力無くして、その人とフラットにコミュニケーションを取るようにしていました。
これはぜひ様々な人々に知ってもらいたいことですね!
気になったのですが、ラオスで生活をして1番困ったことは何ですか?(笑)
ラオスは日本とは公用語が違うので、現地語を勉強せずにラオスに行き現地の方とコミュニケーションが取れないというところで凄く困りました。
半年で日常会話ができるレベルまでになったのですが、喋れるようになるために
ひたすら「これ何?」って現地語で聞き続けていました(笑)
やっぱり現地語習得は難しいのですね。
プラスして失敗談などあれば教えてください!
失敗談でいうと、ラオスで社会人1年目の時によく遅刻を繰り返して仕事相手の信頼を失ったことです。
ラオスとか東南アジアの文化だと仕事でも30分遅刻が当たり前だったりしていて、ある時仕事相手が日本人の方で、いつもの感じで普通に30分遅刻をしたら「あなたは、もう要らないです。」と言われました。
そこから、相手のことを考えて礼節を守っていこうというようになりました。
礼節は大事ですよね!!
これまで桑原さんがトレイルランやパラスポーツに携わってきた中で、やりがいを感じた瞬間はいつでしょうか?
パラスポーツで言うと2018年のパラリンピックアジア大会で自分が帯同したパワーリフティングの選手が金メダルを取った瞬間は、とてもやりがいを感じました。
スポーツにおいて勝ち負けが決まる瞬間というのは、とても感動する場面だと思っていて、その瞬間に立ち会えたことは凄く嬉しかったです。
またトレイルランで言うと、勝ち負けの瞬間は無いのですが、山の中で迷った方がGPS装置であるIBUKIによって助かった瞬間というのは、この仕事が人のために役立っていると実感が湧いて凄くやりがいを感じます。
勝ち負けがあるからこそ感動が生まれる、そこがスポーツの最大の魅力ですよね。
次に、桑原さん自身が仕事をする上で大切にしていることがあれば教えてください!
今していることが人のためになっているか?というのは、凄く大切にしています。
スポーツって本来楽しいもののはずなのに、競技中に人が亡くなったり怪我をすると、楽しさって薄れると思うんです。
現在関わっているIBUKIというGPS端末の事業では、スポーツを楽しむ前の競技中の安全を確保するというところを担っています。
そういった支える立場に立ち、トレイルランに関わる人の役に立っているので、今行っている仕事が何か人の役に立てているかという部分はとても大切にしています。
人のために仕事をされるというのは、とても良いですね!
そんなばーらさんのこれからの夢や挑戦したいことについて教えてください!
怪我なく楽しくスポーツができる環境を作りたい!というのが夢です。
その夢に向かって、人の命を救えるIBUKIという事業をもっと世の中の人に広めていきたいと考えています。
また挑戦したいこととして、将来スポーツ関係の人が集まったりできるようなバーとかカフェを開きたいなと思っています。
僕自身、コミュニケーションがすごい好きなのと、熱意ある人たちが語り合う場所が好きなので、そういった人たちが集まれるバーやカフェを作りたいです!
学生時代について
ここから桑原さんの学生時代についてお話を伺います。
学生時代に学校内外問わず、当時の桑原さんの夢に向かって行っていた活動があれば教えてください!
学生の頃はトレーナーになろうと考えていて、学生トレーナー団体であるGAPに入って活動したり、フィットネスクラブやストレッチ専門店でバイトをしていました。
その他で言うと、フィットネスクラブやストレッチ専門店でバイトをしていました。
学生の頃から、積極的に活動されていたのですね!
なぜ、トレーナーになる夢は変わったのでしょうか?
学生の頃トレーナーの勉強をしていて、専門知識を身につけるより人とコミュニケーションを取ることの方が自分に向いていると感じたのが理由です!
学生の間に自己分析をされて、方向転換したのですね!
学生時代にGAPに入った経緯やGAPで学んだことがあれば教えてください!
僕が大学1年生の時にトレーナーサークルの説明会を受けに行き、そこで話をしていた先輩が当時のGAP東京の代表をしている人で、その人がGAPの運営する勉強会に誘ってくださったのがきっかけです。
それで勉強会に参加してみて、そこに集まる学生がキラキラしていて楽しそうだったので入りました。
GAPに入ってからは、なりたい自分に近づける環境に身を置く大切さ、人間力やプレゼン力を学ばせてもらいました!
またGAPとは別でフィットネスクラブやストレッチ専門店でバイトをされていたそうですが、そういったバイトを選んで良かったことは何でしょうか?
ストレッチ専門店のバイトをしてて良かったことは、ストレッチの技術と1対1のコミュニケーション技術を学べたことです。
バイトで基本90分間お客さんと1対1でコミニュケーションを取らないといけなく、無言にさせずにお客様のことについて話を深めたり、どう悩みを聞いてあげるかという経験がこれまでの人生で無かったので凄くタメになりました。
バイト選びも夢に近づくために大切なことなのですね。
次の質問ですが、学生時代に読んでよかった本があれば教えてください!
あんまり有名じゃないかもしれないんですけど、ひすいこたろうさん著の「あした死ぬかもよ?」という本が、読んでよかったなと思います!
死ぬときに後悔しないために、今を挑戦するという考えは凄く参考になりましたし、本を読み終える前にラオスに行くことは決まっていたのですが、この本を読んだことで腹を括ってラオスに挑戦することができました。
タイトルから凄く面白そうですね。その本、読んでみます!
次の質問ですが、これまで様々な挑戦をしたり、自分の夢を叶えるために行動されてきたと思いますが、僕自身夢を叶えるために情報というのはとても大切だと思っていて、その情報を得るために桑原さんがされていたことがあったら教えてください!!
なるべくたくさんの人に会うことと、自分に高ぶらずにたくさんの人のお話を聞くようにしていました!
自分が何も知らない人だと思い込み、何でも教えてください!という構え方でいると、たくさんの情報が入ってくるという感じでした。
高ぶらないことが大事なのですね!
これまでに出会ってきた人の中で、この人面白いなとか、出会えて良かったなっていう人っていたりしますか?
自分が持っていない話をしてくれる人は総じて面白いと思っていて、挙げるとするなら、わっきー(脇坂)さんかなと思います。
身近にいたわっきーさんが、スポーツ業界全体のお話をしてくれたりしたので、僕の視野がとても広がりました!
読者に向けて
それでは最後にスポーツ業界で働きたい学生に、桑原さんから一言お願いします。
新卒1年目からラオスに行った僕が学生に伝えられることは、自分がやりたいけど迷ってることと一般的に良いものとされてるものって結構違うと思っていて
「いかに自分がやりたいことを腹くくってやるか」が大事だということです!
なので、自分のやりたいことが分かっている人は思い切り挑戦するべきだし、逆に自分のやりたいことが分からない人は、やりたいことを探す作業とか一般的に良いとされていることを体験してみるなど、学生のうちは大抵のことは許されるので、自分が楽しいと思えることを探していってください!
本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございました!
これにて取材を終了させていただきます。
ありがとうございました!
これを読んでいる学生の皆様へ
桑原佑輔(Kuwahara Yusuke)
法政大学スポーツ健康学部卒業後、新卒で特定非営利活動法人NPO アジアの障害者活動を支援する会(通称:ADDP)に入社し、ラオスで2年、日本で2年ユニバーサルスポーツ・パラスポーツの普及活動や障害者の就労支援等を行う。
また、パラアスリートへのトレーニング指導も行い、日本に帰国してからもリモートでトレーニング指導を行う。
そして、2022年4月から株式会社ONDに入社。現在は、IBUKIというトレイルランなどで使用されるGPS端末の営業と、レース等の運営を行っている。その他、学生トレーナー団体GAPの運営サポート、HP制作も行っている。